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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第24章 〜疑わしきは、誰なりや〜



「……そう言いながらお前、今は全然怯えてねぇよな。普段ならあからさまにヤバそうな人間見ると暫く怯えてるのに」

「別に全く平気ってわけじゃないわよ。取り乱すほどじゃないってだけ」


本当は黒いナニかについて分かってるんじゃ、という眼差しでコナンが灰原を探る物言いをすれば、彼女はきっぱり否と答える。すぐに違うと言った彼女はとても澄ました顔をしているが、コナンは少女の両手が服を握り込んで震えているのを見てしまう。未だに恐怖を感じているのは灰原だって同じだったのだ。しかしコナンも沖矢も異常なまでに怯えており、逆に灰原の方が少し冷静になる事が出来た。恐怖は三人の中で未だ尽きない。最後にまたも灰原がきつく、きつく男二人に忠告した


「だからいい?絶対にアレを見ても深入りしないで。普通じゃないとか、気配が不気味だからとか、貴方達が不審に思えば何が何でも相手を詮索したがる癖は理解してるわ。もしも此方の誤解で不快にさせれば罪悪感はあるけど、事件や犠牲者をいち早く逮捕できればその分速く逮捕出来るもの。悪事に手を染めた奴が相手なら、無理のない範囲で大人に頼って協力すればいいーーー」


世の中、事件を起こすのは犯罪者だけではない。暴く必要がないモノ、触れない事が安全に繋がるモノもいること。灰原はそれを幼い頃の友を通して理解している


「けれど視点からズレてる相手と分かっていて、本能的な勘を無視する事は頂けないわ、計り知れない闇を感じたのなら、逃れられるうちに退きなさい。恐ろしいなら無視すればいい、互いに互いを認知しなければ何も起きないもの。敢えて突かぬ事で無事にすむことだってある。不要に刺激して悪性を生み出すこともある」


何もないならそれでいい、何もないなら自らトラブルに巻き込まれる必要だって無い筈だ。そう言って歩き出す灰原の背中を一人、大阪で意図せず巡り合った怪奇現象を思い出しながら見つめるコナン

確かにそうだ、コナン達は偶然接触しただけで何もされていない。件の黒い人物が何者か、何をしてきたのかも知らない。だから探らなければならない。それがコナンの探偵を目指す者として重点に置いた価値観だ。反して灰原は違う。彼女は呆れながらもコナン達の頭脳や、その在り方が及ぼす良い傾向と正義感を認めている。けれど肉食獣の如く推理に猛追し、周囲を巻き込む事や過剰な行動力に良い顔をしない。
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