第15章 同世代の彼
「2時間くらい穴にいることになったんですけど、竹谷君が助けてくれて、医務室まで連れて行ってくれました。手当を受けて、元々保健委員会を手伝う予定だったので、お手伝いをしていたんですけど…。そこで未来の医療について聞かれて、分かる範囲で話をしました。でもその話で彼らの尊厳を傷つけてしまったんです。左近君には私が忍者ではなくても嫌いだと…言われてしまいました…。それで医務室を出たところで土井先生に会って、今に至る…こんな感じです(笑)」
半助は、ふふふと無理して笑うゆうきの隣に行き、唐突にギュッと抱きしめた。
「///へ…?土井先生…?///」
土「無理に笑うな…笑わなくていいから…」
「へへへ…笑ってないとまた泣いちゃいそうで…(笑)」
土「泣いていいんだよ。こうしていれば泣き顔は誰にも見えないから。」
半助はゆうきを抱きしめる腕に力を込めた。
しかしゆうきは首を横に降る。
「もう今日は沢山泣いたので泣きたくないんです。明日仕事行けなくなっちゃいますし…、土井先生にこれ以上情けないところ見せたくないです。」
顔を上げて笑うと、半助が手ぬぐいで目尻に溜まった涙を拭いてくれた。
「情けないことなんてないさ。この5日間見てきたけど、君は本当に強いね。」
半助はゆうきの頭巾を外すと、静かに頭を撫でた。子どもをあやしているようでゆうきは恥ずかしくなり、離れようとするが、半助に耳元でもう少しだけと囁かれ大人しく腕に抱かれた。