第19章 図書委員会
「失礼します。」
ゆうきが図書室に顔を出した時、既に図書委員会の忍たま達は全員揃っていた。
「ごめんなさい、遅れちゃったかな。」
長「いや…今から始めるところだ。」
委員長の長次がモソモソと小声で話す。
雷「中在家先輩、まずは自己紹介からいきますか?」
「雷蔵君、大丈夫!皆分かるよ!」
ゆうきがそう言って胸を張った。
「図書委員会委員長で、六年生の中在家長次君でしょ。それに二年生の能勢久作君に、一年生の二ノ坪怪士丸君!そして…きり丸君!」
ゆうきは全員の名前をスラスラと言ってのけると、最後にきり丸と目を合わせて頭を撫でた。名前を呼ばれたきり丸は元気に返事をする。
きり「はい!さすがゆうきさん、完璧スね!」
「えへへ〜」
怪「僕の名前も覚えててくださったんですね〜」
嬉しそうに怪士丸がゆうきを見上げた。ゆうきは今度は怪士丸の頭を撫でる。
「もちろんだよ!」
能「僕話したことないですよね…」
長「…事前に調べてくれば分かることだろう。」
そう言われてゆうきは首を横に振った。
「ううん、調べてないよ。あ、委員会の手伝いを始めた最初の日に誰がどこの委員会に所属しているのか、一応名簿は見たけど。でもそれだけじゃなくて、もう皆の名前覚えちゃった!」
えっへんとばかりに、少しだけ胸をそらして話すゆうきに雷蔵はとても驚いた。
雷「えっ!?皆って…忍術学園にいる全員かい!?」
「うん、全員だと思うけど。」
にこっとゆうきが雷蔵に向かって微笑む。
雷「知らなかったなぁ。いつの間に覚えたの?」
「うーん、初日から覚える努力はしてたけど全員覚えられたのはここ数日かな?まぁ、みんな制服着てるから分かりやすいしさ。でも食堂のおばちゃんやきり丸君達の助けがなかったらこんなに早く覚えられなかったと思うよ!」
ね!っと言ってゆうきはきり丸と目を合わす。
きり「お役に立ててよかったです!」
そう言ってきり丸はにししと笑った。