第2章 異世界に誘(いざな)われ
ーーーよし、外も静かになったしそろそろ出てみよう。
その時、突然声がした。
?「ここにいるんだろ?」
ドキッ!いつ入ってきた?誰かが来た気配は全くしなかった。
心臓が早鐘を打つ。息を潜めて相手の行動を窺った。
?「大人しく出てきたら危害は加えない。今のうちだぞ。10数えるうちに出てこなかったら…容赦はしない。いーち…、にー…、さーん…」
ゆっくりと男が近寄ってきているのが分かった。もしかしてもう隠れている場所もバレている?
?「ろーく…、しーち…、さぁどうした?」
ゆうきは震える手でゆっくり布をめくり、静かに立ち上がった。男はゆうきのすぐ傍にたたずみ、冷たい目でゆうきを見下ろしていた。
やっぱりバレてたんだ…若い男…暗くてよく見えないけれど子ども?中学生くらいだろうか。
?「利口な選択だ…。まさか運動場から1番近い倉庫に隠れてるとは誰も思わなかったな。」