第7章 近づく距離
明日からNYだってのに黒須と火神の関係が気になっちまって気が重い。
はぁ…
黒須が火神を好きなら背中を押してやろうと一瞬は考えるものの、やっぱり譲れねぇって気持ちがすぐに顔を出す。
相手が誰でも黒須は諦められねぇ…
『ネロ、今日も一緒に寝るか?』
あー可愛い。
俺に呼ばれればすぐに尻尾振って着いて来て、可愛い顔してすり寄ってきて、撫でてやると黒くて丸い目を細めて喜んでくれる。
もし黒須に振られたらさっさとこっちに戻ってネロと休暇を楽しむことにする。
…それよりもトラブったってどういうことだ?
撮影で問題が起きてそれが尾を引いて外出控えろって、どんなでかいトラブルだよ…
黒須のことだからすげぇでかいミスをしたとかは考えらんねぇし、まさかあの激モテ火神の女関係か?
火神はマジでモテる。
怖そうな見た目とは裏腹にすげぇ紳士で、NBAでもしっかり結果を出してそこらの奴の何百倍も稼いでるわけだからモテねぇ方がおかしいんだけど、それに加えてあいつは優しいっつってすっげぇモテる。
俺の知ってる男の中であいつよりモテる奴はいねぇ。
チャリティーも熱心で、小児病児、動物、環境問題、犯罪被害者団体、あらゆるチャリティに寄付をして、積極的な支援をしてて人望もある。
バスケだけじゃなく、人として優れてるってことを認めざるを得ねぇ。
黒須を危険にさらすわけにいかねぇし外出は控えるにしても、理由を知らなきゃ対策もとれねぇ。
とりあえず明日は朝一で予定通りNYに入って、真っ先にハンプトンに行って黒須から話聞くか…
一人で考えたって本当のとこなんて分かりゃしねぇし…
起きてたって色々と考えちまうだけだし、寝ようと思ってネロと寝室に入ると丁度メッセージが届いた。
(今ホテルに戻りました。ドレス本当にありがとうございます。大切にします。おやすみなさい)
だから敬語じゃなくていいっつーの。
まぁ黒須の気持ちがどうだろうが俺は黒須が好きで会いてぇし…
取り敢えず会えんのは楽しみだった。