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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


確かに…

光さんはスポーツ選手へのマッサージはできない。
頭皮だけならやってもらえばいいのかもしれないけど首までとなるとそうもいかない


それに大我の撮影がもうすぐ始まるから、そっちの準備で今も忙しくしている。


『分かりました。いつも使ってる場所、ちょっとお借りします』

『しっかり頼むわよ』

『はい』


ニタリと笑って大我のところに行くパットにあたしも笑みを返して、黄瀬君の撮影場所から少し離れたところに立つ青峰君に声をかけた。


「少しマッサージさせてほしいので、いつものメイクの場所にお願いします」



広いリビングルームの奥に用意されているメイクの場所は、いつもならカレンがいてピリピリとしてる場所だったけど、今はあたしと青峰君の二人だけで、仕事中なのにいつもよりも少しだけ頬が緩んでしまう。


「何笑ってんだよ」

「笑ってません」

笑ってるって自覚はある
だけど…笑ってるって認めちゃったら、もっともっと頬が緩んでしまいそうだから。


「眉間に皺を寄せると表情筋が固まってしまうので、なるべく寄せないようにお願いします」

「誰のせいだと思ってんだよ。黄瀬なんて見つめてやがって」

「見つめてません。見てただけです」


確かに気迫が違うって感じてはいるけど、見つめてるわけじゃない。

それに撮影中のモデルさんを見ることで新たな閃きや魅せ方を思いつくときもあるから、どちらかといえば観察に近い。


「見んな」

「仕事なのでそう言う訳にはいきません」

「かわいくねーな」


誰にも聞こえないように、二人だけで小さく話しながらマッサージをして笑い合って、公私混同しないなんてもう言えないって分かってる。
だけど、こうしてそばにいてくれることで自分の精神が安定して仕事に集中できることも紛れもない事実だった。


「仕事ではいろんな人を見てますけど、そうじゃないときは……大好きな人だけ……見てるつもりです…」

「はぁぁ…お前さぁ……」


すごく恥ずかしかったけど、黄瀬君を見てたことは本当にそんなんじゃないって伝えたくて言ったのに、大きくため息を吐いて、片手で目を覆う様にしてテーブルに肘を乗せたから、呆れさせてしまったのかもしれないって不安になった。





「……それじゃ…ダメ?」
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