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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


雑誌を取りだしたけど…
青峰さんのページをまだ見る勇気がでない



見たいような見たくないような…

いや、見たい

うん‼見る‼‼






最大限深い深呼吸を5回して、意を決して大我のインタビューの最終ページをめくった。












えっ…なに今の…






すごい…

すごいドキドキした。
雑誌なのに心臓が破裂するかと思った。


開いた次の瞬間、その10倍の速さで閉じた雑誌の表紙に見えるその名前は、閉じた意味を無にするには十分すぎる程の威力がある。

買った時は大我の名前しか見てなかったのに、今は青峰さんの名前とさっき見たページの処理に脳が100%使われてるせいで、大我の名前が全然見えない。



バクバクする心臓のあたりに手を当てて、なんとか落ち着くために少し胸を撫でて、何故かカラカラの喉を潤すために機内で貰った水を少しだけ流し込んだ。



最初の深呼吸なんてあってないようなものだったに違いない
深呼吸が足りなかったからちゃんと見れなかっただけ
ページを開くスピードも早すぎた
心の準備を整えて、ゆっくり開けばきっと大丈夫。



もう数回しっかり深呼吸して、思い出さなくてもずっと網膜にあるさっき一瞬見たページの情報を頭の中で整理した。

一瞬だったのに、羽織っただけのワイシャツから覗いた体と少し鋭い視線は、模写しろと言われたら出来そうなくらいはっきりと覚えてる。


準備不足だったことを反省して、こんどは抜かりなく深呼吸をして、あたしの雑誌が他の人から見られることがないか周りを見て念入りに確認してから、今度はゆっくりと指を挟んだままのページを開いた。









本当に同じ人間なの?

完璧に鍛えられた胸板やお腹、逞しい二の腕が視界に入ると、連動するように心拍数が上がる。




芸術作品のようにしっかりと鍛えられた体
他の人より少し黒い肌
つんつんしてる髪
長い手脚
大きな手


雑誌に写る人からここまで何かを感じたことは初めてだった。


これ以上このページを見ていたら鼻血が出そうで次のページにいくと、さつき達と見たページで免疫があったのか、落ち着きはしなくてもさっき程どうしようも無いことにはならなかった。
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