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最愛 【黒子のバスケ】

第22章 大雨


「あっ……」


開放されたバルコニーの扉から室内に戻ると、眉間に皺を寄せた大我とバッチリ目が合った。

多分最後のカレンさんとの会話は大我に聞かれた。



「お前、黙って外でんなよ」

「一応さつきたちには言ったよ。店内暑くて少し風に当たりたかったの。まさかこんな人目のあるとこでいきなり話しかけてくるなんて思わないでしょ。でもなにもされてない。話しただけ」


目は離さないって言ってくれたけど、みんなだって仕事で来てるんだから仕事が優先。

それに、言われてるだけなら聞いてればいいだけ。
こっちがムキになれば余計にやられるって分かってるんだから、いちいち言い返す必要はない。


「まさかカレンの言ったこと真に受けてねぇだろうな」

「受けてない」


受ける訳ない。

だって疑いようがないもん。
付き合ってたって事だって聞く前に青峰君から言ってくれたし、カレンさんへの今の感情も聞いてる。

カレンさんとのことで青峰君を疑うなんて多分ない。
青峰君はネロ君をすごく大事にしてるから、ネロ君を捨てた人を好きなんて言わないってちゃんと分かってる。


「ならいーけど。もう中にいろ」

「うん。そろそろお開きでしょ」

「多分な」



時間も時間だしお開きが近そうで、ハンナがこっちに来てくれたから騒がしい会場を出て一緒にお手洗いに行った。


『さっきカレンに話しかけられてたわよね?話途切れなくて、終わった時ちょうどタイガが行ってくれたの見えたけど大丈夫だった?』

『全然大丈夫。ホント話してただけだから。仕事に来てるんだし仕事優先して』


さすがに呼び出されたら一人では行かないけど、人目のあるところで話す分には別に問題ないし、仕事を放り出してまで気を回してもらうようなことじゃない。


言ってみれば、これはあたしとカレンさんの縄張り争いみたいなもので、本来なら人を巻き込むことじゃない。




綺麗で広いレストルームに入ってお手洗いを済ませてから、パウダーブースでハンナと一緒にメイクを直して出ようとすると、ちょうど入れ違いでカレンさんが専属のメイクさんと一緒に入ってきた。





別に話すことなんてない。



だからそのままスルーして出ようとした。




だけど、彼女はそれを許してくれなかった








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