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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感



すげぇ久しぶりに入るみさきの部屋は、元々物が少なかったけど今は生活感すら感じられねぇ空間になってて、電気が通ってもそれは相変わらずだった。


部屋に入ってみさきがカーテンを開けると、センターテーブルに紙があってそれをみさきが捨てようとしてる。


「なんだそれ?」

「あ、んと…ほら、手術の時もしも死んじゃったら大我とママにしてほしいことがあって、それを書いた紙」


何度か紙を見ながら言いにくそうに教えてくれた。

みさきがどうして欲しかったのか俺も知りたくて、のぞき込んだ紙に書かれた内容を見て、何とも言えねぇ気持ちになってみさきを抱きしめた。


「全部持ってけよ。なんでお袋なんだよ」

「そんなこと…勿体ないもん。だけど、あのドレスとヒールだけはどうしても誰にもあげられなかった」


勿体なくねぇよ。
みさきに贈ったんだからずっとお前のもんだろ。

「ほんと欲ねぇな」

「欲まみれだよ」


どこがだ。
俺が贈ったものは全部、自分で買おうと思や普通に買えるのにそれだけでいいとか全然欲がねぇ。

「つーかさ、あのドーベルマンそんなに好きなのかよ」

「うん」

撮影でたまたま会っただけの犬なのに、そいつの写真は寝室にあって俺のはねぇのが結構刺さる。

俺は犬以下か…

「そいつのどこがそんなに好きなんだよ」

「え……内緒」


浮気か。

犬にまで嫉妬してる俺ってヤベェ奴だな……
けど、どこが好きか聞いて、内緒なんていわれりゃ意地でも聞き出したくなる。


「隠し事しねぇって言っただろ?」

「これは…隠し事とかじゃなくて…」

みさきをソファに追い込んで逃げられねぇように端に追いやって、俺の体で逃げ道を塞ぐとあからさまに目を泳がせて焦ってて、ますます理由を知りたくなった。


「言えねぇほど好きなんて浮気だろ?」

「ちがうっ……浮気してないっ!あの子は違うの」

なんだそりゃ。
本気で犬と浮気なんて思ってねぇのに必死に首振って否定して可愛すぎ。

「なら何がそんなに好きなのか教えてくれてもいいだろ?棺に入れるほど特別な仲なんだろ?」

「違くてっ……誤解なの。あの子は…その…撮影でたまたま会っただけで…」


こりゃマジで浮気の言い訳みてぇだな。

ホント嘘つけねぇな。
こんな説得力のねぇ“違う”なんて聞いたことねぇ
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