第20章 バス停留所にて
いやらしい雌の匂いに頭がどんどんやられて、勃起が治まらない。俺は直に舐めたくなり下着を乱暴に下に降ろし、肉ヒダを親指で押し広げて溢れ出すいやらしい蜜に吸い付いた。
柔らかくて、小便臭くて、汗の味も。そして次から次に溢れる蜜はもう立派に雄を誘惑する役目を務めている。ああ、最高に興奮する。
「やだ、舐めるの汚、舐めないでえ……!!」
「この感じから察するに君は“相手”は居ないらしいな?少し手入れが雑だ。経験は?その様子では無さそうだが」
蜜を吸い出して離れる。
顎を掴んでそろそろ恋しくなっていた唇に吸い付いて甘噛みして離れた。
「……で、セックスの経験は?無いなら無いと言わないと酷くされてしまうかもしれないぞ」
まあもう加減を考慮出来るような状態ではないが。
「まっ……まだ、まだ、です」
「そうか、優しくする」
「待っ……やだ、したくない、嫌だあ!!」
何をされるか察した様子の彼女は身体を捩らせて精一杯の抵抗を見せた。だが俺はそれを見ながらスーツのズボンからペニスを取り出そうとファスナーに手を掛けた。もう皮が張って痛い。早いところ一度出してしまおう。
その時だった。抵抗が叶い、錆びたヒル釘が折れて吊っていた両手が降りた。すぐに停留所から彼女は駆け出した。ベルトに手を縛られたまま、乱れた制服で未だ降りやまぬ豪雨の中を文字通りなりふり構わず走る。
俺はこの瞬間が人生で一番滾った瞬間だったかもしれない。
停留所からゆっくりと出て天を仰ぎ、立ち止まったまま雨を浴びる。雨粒が強く肌を弾き、どの高さから生まれた雨粒なのか分かる。
身体が前傾し、足が出た。走り出し、ヨタヨタ走る彼女の姿を捉える。
ダメだ、笑みが止まらない。久々に走ると楽しい、昔やった鬼ごっこみたいだ。俺は鬼役になると高揚した。逃げる役はつまらないからわざと捕まっては早く鬼と交代していた。
ただ、あっという間に勝負がついてしまうのは本当に残念に思う。