第20章 バス停留所にて
振動で少し揺れる、頼りない停留所の壁に彼女の両手を一纏めにし押し付け、首を掴んでまたキスをする。すると口内で泣き声が籠り、加虐的な性衝動がドクドクと湧き出す。
甘い口内だったが、力を入れて拒否をするせいで傷付けてしまったらしく、血液独特の味と匂いが広がっていく。
離れれば案の定口から引いた糸は薄らと紅く着色されている。
「うっ、ひぅ、触らない、で」
「いいな、強姦する側としてはその位拒否された方が興奮する」
俺はベルトを外して彼女の手首に巻き付け、ベルトの穴の一番端から二番目の穴を壁から突出しているヒル釘に引っ掛けた。ヒル釘ならば多少暴れても取れやしない。
俺は下半身を彼女に擦りながら髪の匂いを嗅いだ。
「はあ、いい香りだ。ほら、分かるか、余計に勃起してしまった。君の匂いだけでこんなことになるんだよ。狙われたのが君で良かったな。こんなに欲求不満なケダモノを野放しにすれば君の母親でも友達でも構わず犯していただろうからな」
そこまで飢えちゃいない。だがそう言えばまだ俺よりもふた周りは幼いであろう少女は簡単に顔が歪んで次から次に涙が溢れ出す。
「君で良かった、そう思うだろう?」
耳元で囁き、すぐに耳を愛撫する。か細い喘ぎは鳴き声と混じり、雨音に掻き消されて行く。
「やあ、ぁあ……っ」
可愛らしい声だ、耳は当たりだったらしい。
少し抵抗が薄れた彼女の胸に触れると唇を噛んで赤面する。
「そう、いい子だね。暴れなければ優しくするよ」
まだ泣き止みはしないが、必死に喉を鳴らして声を抑えながら形を変える胸に目を逸らす。
俺は泥まみれの地面に膝を着いて、顔を背けたままの彼女の顔を見ながら肌を包んでいたブラウスをゆっくりと捲りあげていく。
「っあ、」
小さく制止の声が出るが、彼女の下着が姿を現すとまた目を逸らした。
「見ていなくていいのか?キスマーク付けるぞ」
突然抱き寄せて胸元に吸い付いて赤黒い痕を付けてみせる。その間も制止の呼び掛けはあったが、呆気なく痕は残された。
「やだ、なんで……」
「余所見をするからだ。しっかり見張っておかないと」
べろりと肌を舐める。少し汗をかいているようだ。雨粒を受けて濡れている肌は汗も混じってしょっぱい。