第9章 夫婦の在り方
「俺なら毎晩セックスしてやるし、お前が望みさえすれば何人だって子どもを作る。もちろん苦しくて辛い日を過ごさせたりはしない……毎日愛してやる、俺なら寂しい思いはさせない」
リヴァイと目が合った。エルヴィンに対しても言っているようだ。
パタパタと床に涙を落とすユリアが、その言葉に顔を上げた。
「本当ですか……?」
駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ、させないぞ。
ユリアは俺の……
「待て、ユリア。そいつは調教師だと言っていた。だから他の女も居る。SNSで募集をかけるような男を信用していいのか?以前の君なら直ぐに判断出来るはずだ、騙されるな」
エルヴィンの言葉に、ユリアは目を向けた。
「君は俺の最愛で最高の妻だ……この件に関して俺は怒ってない。今まで悪かった、本当に俺のせいだと思っている。家事だって君が居ない間に覚えた。君の優しさに甘えていたんだ、俺は」
「馬鹿か、さっきは幻滅したって言っただろ。コイツこそ嘘つき豚野郎だぞ。ユリア」
リヴァイはユリアの顔を自分に向けさせた。
「なぁ、“コレ”。欲しいだろ」
リヴァイが腰をユリアの尻に押し付けると、ユリアの顔が女のソレに変わる。
「で……も、主人じゃなく、リヴァイ様を選んだ時にって……」
「ああ、そういう契約だったが状況が変わった。このご時世、臨機応変にいかなきゃな。で、どうしたい。当たり前に避妊はしてやるし、なにより……二年ぶりのホンモノは大層気持ちがいいだろうな」
「は……っ、」
ユリアの腰にスリスリと硬くなったソレを擦る。
「やめ……ろ、ユリア、駄目だ、俺の女だろう!!」
エルヴィンが叫ぶ中、リヴァイがユリアの腕の拘束を解いた。
そして後ろから抱き締めながらユリアにコンドームを渡した。
「旦那の前で気持ちよくしてやる」
耳元で言うリヴァイにユリアが目を閉じると眉尻が下がり、眉間にシワがよった。
ゆっくりとリヴァイに向き直る。