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モデルのボーダー隊員~番外編~

第9章 年中行事〜七夕〜


その夜

楽しい七夕パーティは賑やかな雰囲気で進み、みんなで食後のデザートで舌が喜び、夜空を眺めて目で楽しむ。
デザートは織姫様と彦星様を模したカップケーキを作った。彦星様は遊真君が、織姫様は僕が作った。

「オサム、チカ、ハル、どうだ?美味いか?」
「すごく美味しいぞ」
「うん!彦星様も綺麗にできてるよ!」
「ほんのり甘くて食べやすいな」

なにあれ可愛い。先輩達の心が1つになった。

「アキ先輩、俺褒められたぞ!」
「遊真君頑張ったもんね!僕も助かっちゃった。ありがとう」
「どういたしまして。また別のお菓子の作り方も教えてくれ!」
「もちろん!楽しみにしててね」

満面の笑みで修君たちの元へ戻っていくのを見送る。すると入れ替わるように悠一と京介が両隣に座る。

「やっほー明希、楽しめてる?」
「飲み物どうぞ」
「うん、結構楽しんでるよ。ありがとう京介」

サラリと浴衣を着こなしている2人は、悠一が白地に青い刺繍が入った浴衣、京介が紺地に白い刺繍の浴衣。

「2人とも浴衣がすごく似合ってるね。いつもより少し大人っぽい」
「そう?ありがとう。明希も似合ってる」
「普段の数倍色っぽいっすね」

黒地に紫や白の芍薬柄の浴衣。髪を下でまとめることで、大人っぽく仕上がっている。

「ほ、褒めすぎだよ。でも、ありがと」

照れつつふわりと微笑むと、2人は顔を覆いながら天を仰ぐ。

「ど、どうしたの?」
「あまりにも可愛くてつい...」
「俺、先輩以上に可愛い人いない気がします」
「わかる」
「ふ、2人とも...」

気付けば両サイドから詰め寄られている。どうしたらいいのこれ。
ギュッと目を瞑って何されるかわからないまま固まっていると、ゴンッと鈍い音が両サイドから聞こえてきた。

「2人ともいい加減にしろ。藤咲が困ってるだろう」
「痛いよレイジさん」
「...すみません」
「それと、後輩達の教育に良くない。見てみろ」

レイジさんに促されて後輩達の方を見る。
普段の3割増ぐらいの勢いで冷や汗をかいている修君、年頃の女の子らしく頬を染める千佳ちゃん、通常運転のように見えるがどこかつめい雰囲気をまとっている遊真君、冷え切った目で京介と悠一を見やる蓮琉。四者四様の反応で逆に面白い。




「織姫様と彦星様もビックリな三角関係ね」
「小南、多分それ違うと思う」
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