第5章 年中行事〜お正月(初詣)〜
お守りを買ったり、絵馬を書いたり、こぢんまりした出店で少し買い食いしたりした。
また、結構広い神社だと言うのに多くのボーダー隊員とも出会った。
諏訪隊や鈴鳴第一は今日も仲良しで、嵐山隊は広報活動中だったけど僕達に気付いて手を振ってくれたし、ちょっとした友情出演?みたいなのもしちゃった。
それから、桐絵の友達でボーダー隊員だと言う那須隊の二人に出会った。桐絵の紹介で二人と友達になった僕らは、お互いを「玲」「熊ちゃん」、「明希ちゃん」「明希」と呼ぶようにした。
特に熊ちゃんとは親近感を抱き合った。
悠一から「そろそろ帰るよ」と連絡があり、駐車場まで三人で向かう。
その道中でも数隊とすれ違い、中でも影浦隊とはよく話した。なんでも、仁礼さん・北添先輩と仲良いらしく、暫く四人で話していた。
「所でそこの超絶美人誰?小南の学校のやつか?」
「ほんとだ、凄い美人だね。カゲも見てみなよ」
「うっせぇ」
突然仁礼さんに話を振られ、北添先輩?にも興味を持たれてしまった。
「よく聞いてくれたわ!この子は私の親友で最近入隊した藤咲明希よ!」
「明希ちゃんはすっごく強いんだよ!小南が負けちゃうくらいだからね!」
栞の言葉に影浦隊の四人がマジかよと言う顔になる。
「え、マジで?話盛ってるとかじゃなくて?」
「えっと、一応事実だよ」
そう言った時、北添先輩に「カゲ」と呼ばれていた人が「おい」と声を掛けてきた。
「お前今どこの級だ」
「…Aソロです。最近上がったとこなんですけど、色々あって一気にAに飛んじゃって…」
「んじゃ、今度暇な時に俺の相手しろや。連絡先渡しとく」
「あ、はい。ありがとうございます」
「おう。またな」
そう言って楽しげに口角を上げて影浦先輩は去っていった。伝わって来た感情は「楽しみ」「面白いやつ」で、悪印象は持たれていないようで安心した。
桐絵達に「やるじゃない!」とか「天然タラシなんだから〜」とか言われたけど、よくわからない。
再度悠一から連絡があり、「みんな揃ってる」と急かされてしまった。
駐車場に着くと同時に、悠一が僕を見て頭を抱えて「何で明希は目を離したらこんな事になってんの」と嘆いていた。
え…僕何かした?