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【JOJO,アヴドゥル夢】短編集

第1章 【アヴドゥル】気になってしょうがないんだ……!


ところ変わってアヴドゥルとの席。
アヴドゥルはちらりと後方を確認して……ぶっと紅茶を吹き出した。
「(ジョ、ジョースターさん! 目立ちすぎです!)」
明らか周囲の客や店員から異様な視線を送られている。
「どう……されました?」
がようやく顔を上げたが、アヴドゥルは「ななな何でもない! ハハハ!」と笑って席を体ごとガタンとずらした。ジョセフたちが見えないように。

遡ること2時間ほど前にジョセフに「いい考えがある」と提案されたこと……。「気になるなら本人に聞いてみるといい」と。ジョセフが午後4時頃にカフェにを呼ぶから、アヴドゥルは1人でカフェに向かえと……。
そして自分たちは後ろから見守ると。
「ジョセフさんたち、遅いですね」
はキョロキョロと視線を動かす。
「そうだな……」

その後も相変わらず無言が続いてしまう。
時々がまた彼をちらりと見上げるが、目が合う度に目を逸らされた。ついには顔さえも上げなくなってしまった……。

「あの、」
アヴドゥルが沈黙を破る。
「実は、ジョースターさんたちは来ないんだ」
「……! え? えっと…………それは」
ガバッと顔を上げた。
「私がと話をしたくて機会を作ってもらったんだ」

えぇ……!? と声を上げる彼女は、口元を押さえ恥ずかしそうに周囲をキョロキョロと見渡して、小声で「なんのお話でしょうか」とヒソヒソ尋ねる。

アヴドゥルはポリポリと頭をかき、少し言いにくそうにしながら口を開いた。

「なぜ…………が私を避けるのか……聞きたくてな」
「!? あ……! え、えっと……」
そういうつもりはなくて、と顔を赤く染めながら震える声で呟くは今にも泣きだしそうな顔をしていた。

アヴドゥルは机に置かれた彼女の小さな手を掴むように上から添え「頼む、聞かせてくれ」と視線を絡ませる。その視線から逃れられず、の顔はどんどん赤みを増していく。

「あんなに迫ったら怖がるだろうに……」
遠くから見守るジョセフが望遠鏡を力いっぱい握りしめる。
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