第15章 突然
明るい午後の日差しを浴びて、アカデミーの廊下を突き進んだ。
扉をノックして、火影室に入った瞬間、ひとまず私は後悔した。
「おう、来たか……」
猿飛様はキセルをふかし、机に座っておられる。机には巻物や書類の山。持つ筆を折りそうな指に、私は戸惑う。う、うわ……。
「し、失礼します……」
嫌な空気だ。入室した私たちの方に目を光らせた猿飛様は、また静かに書類に視線を戻す。禍々しいオーラが見えそうだ。
「カカシ、遅かったな……」
パックンがソファに座っている。カカシはソファ側に向いて、ギョッとした顔をした。
「帰ってなかったのね……」
と言いたげな顔。私はソファの上に、任服の入ったバックを置いて、カカシのとなりに立った。
深い息を吐いたカカシは、
猿飛様の前に立ち、資料を渡した。
「三代目……、数々のご無礼、大変失礼しました。こちら、ヤナギの報告書でございます」
片手で受け取る猿飛様は、書類に目を通したあと、苦い顔で筆を机に置いた。
「……ふむ。 ダンゾウが噛んでおったか。この情報はワシも知らぬ……よほど、ヤナギが欲しかったのか、たまたま得た情報なのか……」
三代目は机の脇に置いてある別の資料を、カカシに渡した。
「カカシ……暗部2人の解剖結果が出た。 外見は10代だが、体内年齢は30歳前後の他里の忍だと報告が上がったぞ」
資料をパラパラとめくり、詳細を確認するカカシ。表情は険しい。
「……やはり、ヤナギの報告書通り、雪ノ里でしたか……」
頷く三代目。となりにいる私も資料を受け取り確認した。間違いない。
30前後であれば、つじつまは合う。でも、いつから……。