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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第12章 闇 終焉の地


どぼん……!!






冷たい水が身体に当たり
谷底をめがけて泳いだ。



カカシ……カカシ……




どうして全部の罪を被るの、
おかしいよ、こんなの……




奥に奥に必死に泳いで向かう。手にはクナイ。早く早く行かないと……。

死んじゃう……!


ジャージを着たままだ。

すぐに浮いてしまう。
だけど、7歳のときとは大きさも体力も違う。しっかり泳いで奥へと向かった。






"カカシ……!!"




無我夢中で進めば、
白銀の髪がゆらゆら揺れていた。




バカ……!!カカシのバカ!



忍なら手なら
関節を外せば縄を抜けれるのに……!


そばに寄り、手と足の縄をクナイで切った。だらんとした身体。ひんやりとして冷たくなっている。


正気の感じないカカシの表情を見た。バカだよ、カカシ……あなた、大バカだよ?

ぎゅっと抱きしめて、上を見上げた。水面から灯る月明かりを目指して泳ぐ。早く、早くしなきゃ。

腕を引っ張っていくとき、縄の跡が目に映った。抵抗した跡はほぼ なかった。


ザバァン、水から顔を出して、カカシの表情をみた。





「はぁ……はぁ……カカシ…お願い……目を覚まして……!」


肌は青白く、唇は血色のない紫色に変化している。だらんとした身体。反応が返って来ない。


「カカシ! カカシ……!!」


早く、陸に上げて、
処置をしないと……。


私がそう思って、脇へ泳いで行くと、顔に暗い影が出来る。

見上げると、目の前にはヤナギが立っている。首は鮮血した状態だ。

どくん、と心臓が強く高鳴る。
恐ろしくて身体は震えている。


「もう……いいでしょう?もう許して……!今、早くしないと、カカシが……」



そう言ったときだ。



ヤナギは、私の腕からカカシを引き離し、
カカシの身体を自分の方へ引き寄せる。


「ヤナギ!?」



「……ザマァねえな、カカシ。 暗部ろ班隊長が聞いて呆れるぜ」

腕を捲りあげ、ヤナギはカカシを
陸へと引き上げた。


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