第12章 闇 終焉の地
「ヤナギ……すまなかった………。
なにも言い訳するつもりはない。 殺したいなら殺せばいい」
カカシの額は、鮮血でポタリポタリと地面に垂れ落ちる。まるで土下座してるようだ。
「うるせーな、カカシ、勝手に喋るな。まーなー。俺は優しい。息の根が止まれば、ちゃーんと許してやるぜ?」
カカシの髪を引っ張り、地面を引きずりながら崖を歩いていくヤナギ。
「心臓が止まれば許してやるよ」
ヤナギは背中に足をかける。カカシの目の前は谷底が待っている。大量の水が流れ落ちる。
私は黙っていられない。
「……いや、お願い待って、……ねえ……」
動揺して声がうまく出せない。
私が近くに駆けよろうとすれば
カカシが首を横に振る。
「花奏、これで負の連鎖が終わる。邪魔するな」
「!! なに言って……カカシ!!」
待って待って待って待って!!
私は叫んだと同時にヤナギが喋る。
「カカシ、ちゃんと谷底で俺の両親の供養しろよ」
「ヤナギ、ねえお願いだからやめて!!」
私がいくら叫ぼうが、無視をし続けるヤナギは
顔を三日月に歪ませ、足に力を入れる。
「じゃあ……な!!」
どんと足で押した瞬間、視界から消えた。
「カカシ!!」
真っ逆さまにカカシが落下し、
どぼん、と、高い水しぶきを上げた。