第24章 サンジ君(DNH企画)7章の続き
「ん?!おーー!島だ!島だぞ!!」
ルフィが突然振り返って
窓から乗り出して景色を眺めた。
私も窓から見える街並みをみた。屋台やお店が沢山並んでいる。賑やかそうな街だ。
「うーん、そろそろ服買おうかしら」とナミがデザートのアイスを食べて、カップを置いた後だ。
「ーーって!!ちょっとルフィ!口の中身を飛ばすな!」
「グフっ!」
ナミの痛恨の一撃が飛び交う。
「っ!!なんだコレ!!かれぇーー!!」
さらにタバスコ攻撃を受けて
火を吹くように辛そうに叫んだ。
「ギャハハハ!さっきの仕返しだぜーー!バーカ!」
ウソップが手を叩いて大笑いしている。「くそー!」とルフィが言っても、「サンジーー」と、おねだりして、残っていた、おかわりの肉を食べ始めた。
本当に食べることが
好きなようだ。
私は小さく笑う。みんなのやりとりは、いつも飽きない。
「なあ、花奏ちゃん」
私のとなりの席に戻ったサンジ君が、口に手を添えて、小さな声で話しかけてきた。
「……………なに?」
ぶっきらぼうな返事だ。さっきのジェラシーが再燃している。わたしは、サンジくんに目も合わさなかった。
ふーーんだ。いい気味。
たまには
焦ったら良いんだ。
知らんぷりして、
アイスクリームをスプーンですくって、口に入れた。
「っ! お、美味しい…サンジ君……!あ、フルーツが中に入っているんだ」
バニラクリームの中に蜜柑やパインやイチゴのフルーツが散りばめられている。甘くて冷たくてサッパリする。
サンジ君はわたしが目を爛々としていたからだろう。「くく……」と、肩が震えているのだ。
「すまねェ……うめェかい?」
「……うん。とっても美味しいよ。ところで、なにか用があった?」
サンジ君はわたしの声に合わせて、身体を斜めに、椅子を近づけた。何だろう。耳を傾けて澄ました。
「ん?サンジ君、なに?」
まだ言わない。なんだろう。ふわりと甘いサンジくんの料理の匂い。
「あのな……」
「うんうん…?」
もぐもぐとスプーンを持ち、
口を甘くすると、聞こえてきた。