第3章 『お世話』
「驚かせてしまったようですみません。」
「あっえっちょっと!」
私はパニックになって、シャワールームへと戻り、扉を閉める。
「お嬢様?」
「どうしてそこにいるんですか!」
「お嬢様の湯上りのお世話をする為です。お体拭かせて頂きます。」
「自分でできます!!」
「困ります。」
「え!?」
「バックス様からお嬢様の身体のケアを申し付けられておりますので、湯上りのお世話もかねて身体チェックをしなければなりません。」
あいつからその身体チェックとやらを命じられてる訳か。身体チェックって、それではいよいよ家畜のようだ。
私はふつふつと怒りがわいてきた。
勢いよくシャワールームの扉を開け放ち、私は洗面所へ飛び出した。
「お嬢様?」
「体は自分で拭くし、身体チェックとやらも受けない!絶対に!」
きょとんとした顔の世話係からタオルをひったくり、回れ右をさせる。
「とりあえず出てって!」
「困ります!お嬢様!」
「知らない!」
脱衣所の入口まで世話係の背中を押していき、扉を開ける。
「やれやれ。仕方ありませんね。」
世話係を洗面所から叩きだそうとした瞬間、私の腕は宙を押した。
「えっ?」