第2章 密かな想い
私たちの出会いは 、私が中学生のときだった 。
父親の再婚相手が 、貴兄の母親だった 。
正直 、父親の再婚に興味なんて無かった 。
新しく出来る兄の存在に 、私は胸に期待を抱かせていた 。
期待していた分 、初めて会ったときの貴兄の笑顔だけは 、未だに忘れられずにいる 。
私と貴兄は 、歳がひとつしか違わない 。
なのに 、貴兄は子供っぽくて 。
「 増田 、見て見て っ ! 」
そう言いながら 、無邪気に笑いかけてくれる貴兄に 、いつの間にか恋をしていた 。
叶わないと分かっているのに 、この恋を諦められない私がいる 。