第2章 密かな想い
夕食後 、貴兄の部屋の扉を叩く 。
「 貴兄 、いる ?」
「 増田か 、入って良いよ 。」
こうやって 、私が夕食後に貴兄の部屋に行くのは珍しいことではない 。
むしろ日常茶飯事で 。
「 また今日も来たの ? 笑 」
「 だめ 、だった ?」
会いたくて 、そんな想いは貴兄には届かない 。
「 貴兄に聞きたいことがあるの 、」
「 ん 、なに ?」
顔が火照る感覚に恥ずかしくなって俯いてしまう 。
でも 、今日こそはと 、ずっと聞きたかったことを口にする 。
「 貴兄って 、好きな人いる ?」
貴兄は飲んでいたお茶を吹き出しそうになっていた 。
「 は 、ちょ 、いきなり何 ?」
「 その反応は 、いるんだね 。」
やっぱり聞かなきゃ良かったな 。
好きな人に好きな人がいるだなんて知らなきゃ良かった 。
貴兄 、よっぽどその人なことが好きなんだね 。
顔 、真っ赤だよ …
「 ん 、いるよ 。増田は ?」
貴兄だよ 、私の好きな人は貴兄だよ 。
心の中でそう呟く 。
「 そりゃ 、私にだって好きな人いるよ 。」
ねぇ 、なんで ?
どうして 、辛そうな顔をするの ?
「 そりゃ 、そうだよな 。」
貴兄は精一杯の笑顔でそう言った 。