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【イケメン戦国】夢と知りせば覚めざらましを

第12章 【秀吉・後編】※R18


「なっ…政宗…お前…」
耳まで真っ赤になりながら睨みつけてくる秀吉を見て、政宗は満足そうに笑った。
「えー!お餅大好き!食べたーい!秀吉の快気祝いだね?」
何も知らない舞が、満面の笑顔で混ぜっかえした。
「いいですね餅つき!私もお手伝いさせて下さい」
うきうきと手を挙げる三成に向かって、光秀が琥珀色の目を大きく見開いて、冷静に答えた。
「いや、お前は近づくな三成。死人が出る」
「ええ〜?」
困ったように首を傾げる三成に、広間中が笑いに包まれた。

─── ◇ ─── ◇ ───

後日、安土城の廊下にて。

「秀吉様!御定書の草稿できました。お目通し下さい」
廊下で秀吉を呼び止めた竜昌は、ひざまずいてうやうやしく書簡を手渡した。
「そうか、早いな。ありがとう」
笑顔でそれを受け取った秀吉は、はらりと書簡を広げて目を通す。
「うん、いい出来だ。相変わらず綺麗な字だな」
「はっ!ありがとうございます!では早速 各国の領主に配ります!あとで花押を頂きに参りますね」
「わかった。ありがとうな、竜昌」
優しげな目が一段と細くなり、秀吉は片手を竜昌の頭に伸ばした。あれ以来秀吉は、以前の舞と同じか、それ以上に竜昌の頭を撫でるようになった。(一方で舞には指一本触れなくなったわけだが、事の顛末を政宗から聞いた舞は、今度はまるで自分が姉にでもなったかのように、竜昌の頭を撫でるようになった。)

また秀吉に頭を撫でてもらえると思った竜昌は、照れ臭そうにぎゅっと目を閉じ、頬を染めて、その瞬間を待った。
しかし、秀吉の片手は、竜昌の頭を素通りすると、その首の後ろを掴んでグイッと手前に引き寄せた。
一瞬のやわらかな感触の後、かすかな水音と共に、二人の唇が離れる。
「…ひ、秀吉様!こんなところで…!!」
真っ赤になって秀吉の胸を押し返し、あたりをキョロキョロと見渡す竜昌。
「ん〜?じゃあどこならいいんだ?」
「ッン!…あっ…」
再び秀吉が、竜昌の唇を塞ぎ、舌先でちろちろと粘膜をなぞる。今度はまるで身体の芯からトロトロと溶かされていくような、甘い口づけだった。
「…少なくとも、俺の目の届かぬ所がいいだろうな?」
秀吉の背後から聞こえる冷静な声。

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