第10章 花見 ★
「ちゅるー、ちゅー♪」
「お、こいつは驚きだ、主は酔うとキス魔になるんだな? じゃあ俺からも…」
「鶴丸、それ以上主に近付いたら圧し斬るぞ」
「真剣を持って来るなよ長谷部、冗談だ」
「やげんー」
「お、嬉しいな、キス魔な上に随分と幼児化するんだな大将。ギャップ萌えってやつか」
「ねぇ!!なんでこっちに来てくれないの主!!!」
「必死だな加州の旦那」
「主!! 貴女の長谷部はここにおりますよ!!」
「アンタも必死だねぇ長谷部」
「やまんばぎり~、ちゅー」
「…ダメだ。俺に構うな」
「おぉ、大人な反応…」
「じゃあ、ぎゅーっ」
「!!??///」
「山姥切でもダメだったか」
「流石、主ちゃん♪ さ、こっちにおいで~♪」
「何を、してるのかな??」
お団子を手に戻ってきた光忠に
散々お説教をくらったメンバーであった。
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まったくもう、次郎太刀くんと来たら…
まさか、未成年の主にお酒を飲ませるなんて
「主、部屋に着いたよ?」
「ううん…」
フラフラになっちゃってる主を抱き抱え、主の部屋までやって来た。
お酒の影響か、あまり意識がハッキリしてない様子。
「みちゅ…」
「ん? どうしたんだい主?」
「身体が…へん…」
「変…? どんな風にだい??」
まさか、急性アルコール中毒!?
薬研君を呼ばないと…!?
「身体があちゅくて…うずくような…?」
「…ん?」
「あちゅい…」
「わっ、だ、ダメだよ主!!待って…!!///」
無防備に服を脱ごうとする主を咄嗟に止める
だって、危ないじゃないか(僕の理性が)
こ…これもお酒が原因…?
でも、さっきまではこんなこと…
必死に頭を回転させていると
ふと、万屋での事柄が頭を過った。
『今飲めば夜には身体が気持ち良くなるハズさ』
…え、ちょっと待って、
気持ち良くなるってまさか…
そっちの意味で!!!???
「…、み、みちゅ…」
息遣いが段々荒くなっていく主。
「わたし、しぬの…??」
「主…」
「やげんのところに行って…」
「待って、主」
襖を開けようとする主の手を遮った。
「僕が、良くしてあげる」