第15章 つかの間の幸せ 【R18】
微笑むと、春水はなぜか顔を赤くして口元を手で押さえた。
「これは.....また...おじさん、嬉しくて襲っちゃいそう...」
『?』
なにかボソボソと一人つぶやく春水はほっておいて、桜を楽しむ。
『綺麗...』
今いる場所は真っ赤な太鼓橋の上だ。
太鼓橋の下を流れる「龍神川」は、高い透明度を誇り、多彩な青を魅せている。
真っ〝赤〟な太鼓橋に透明感ある〝青〟の龍神川。
そして、咲き誇る淡い〝桃〟の桜と草木の〝萌黄〟。
これらの〝色〟が、美しいコントラストを生み出している。
呆然と景色を眺めていると、ふわりと煙草と香の混ざった香りがした。