第83章 新たな朝。
=雅side=
「ん・・・」
目を覚ますと、医務室の窓から眩しい朝日の日差しがさしていた。思わず目をきゅっと瞑ってしまう。
「そういえば、高尾君は・・・って、きゃぁ!?」
私が悲鳴をあげた理由はだたひとつ。
高尾君が私の太ももあたりを枕にして、寝ていたからだ。
椅子に座りながら・・・私の太ももを枕にして・・・。
でも、これってもしかして・・・
「ずっと、いてくれたってこと・・・?」
そう思うと、なんだか嬉しい。大事にされてるって思う。
悲鳴なんかあげちゃ申し訳ないよね。
私は優しく高尾君の肩を揺さぶり、起こそうとした。
「たーかーおーくん?朝ですよー」
高尾「んん・・・?」
眉間にしわをよせながら、目を擦り起き上がる。
左側の髪が少しはねているのを見て私はふふっと笑った。
高尾「あんれ?雅?はよー」
「おはよう高尾君」
へらっと笑いながら眠たそうな声で「はよー」という高尾君は、いつもより一段と可愛い。←
「あ、ありがとう高尾君」
高尾「へ?」
「ずっと傍にいてくれたんだね。ぐっすり眠れなかったでしょ?疲れてるはずなのに・・・」
高尾「あーいや?案外寝れた。」
「そうなの?」
高尾「うん。雅の太もも、結構いい枕なんだよな♪」
にししと笑う。さっきまでの高尾君はどっかにいき、
いつもの高尾君となったようだ。
「いい枕なんだよな♪って、まるで何度も使ったことのあるように聞こえるなぁ。」
高尾「え、地質これで二度目だけど」
「え?そうだった?」
高尾「そうだって!ほら、ストバスん時!俺倒れて雅に膝枕してもらったじゃん?」
思い返すと確かにそんなことあったなー
「あぁ、あったあった!確かそのときはー・・・あ!高尾君が私告白した・・・とき・・・だ・・・。」
高尾「・・・へへっ」
熱がのぼる。
思い出したら恥ずかしくなってきたぁ。