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【進撃の巨人/リヴァイ】君が描くその先に

第8章  出発前夜


「ここは中堅兵士たちの部屋のエリアだよ。こんなところに何か用事でも?」

「この先にある中庭に行こうと思って…。夕飯まで時間があるので、スケッチをしようかと」

「あぁ、そういうこと。うん、それはいいね。
 あそこは、男性兵士の宿舎との境目にある割にはあんまり人が来ないし、集中して絵を描くにはいい環境かもしれない」

 ナナバさんの言葉に、私はコクコクと頷いた。

 ところで、部屋から出てきたナナバさんは上着を脱いでおり、その下は、鍛えあげられているが女性的な身体であることに気がついた。
 普段は上着を着ているから、あまり分からなかった。

 私は思わず、ナナバさんの身体をまじまじと見つめた。

(やっぱり女性だったんだ…)

 正直、初対面の時から「どっちなんだろう?」と思っており、声や体型から何となく女性だろうとは推測していたけれど、時折すごく格好いいこともあるし、女性兵士とは思えない身のこなしをすることがあるので、判断しかねていたのだ。
 でも、女性兵士の宿舎で出会うってことは、つまりそういうことだろう!

 そんなことを考えながら、思わず凝視してしまっていた私の視線に気付いたナナバさんが、ポキポキと指を鳴らして近づいてきた。

「ラウラ、今何を考えているのかな?何となくだけど、予想できるんだけど…?」

「はっ、ご、ごめんなさいっ」

 端正な顔にうっすらと青筋を立てているナナバさんの迫力に、私は慌てて頭を下げて謝った。

「ダメ、許さない。罰として、今から私の部屋に遊びに来ること」

「…え?」

 顔を上げると、そこには王子様のように微笑むナナバさんの顔があった。

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