DeadbyDaylightその他ホラゲ 夢小説 短編
第10章 ヒルビリー (病み)
うさみは優しい
こんな見た目でも殴ってこない
貶してこない
馬鹿にしない
嫌いになったりしない
あのサバイバー達のような酷い言葉は使わない
可愛い、好きだよって言ってくれる
一緒に食べ物を食べたり、お風呂にも一緒に入ってくれる
けれどそれは永遠に続くの…?
もし気が変わってボクのこと嫌ったらどうする…?
そうしたらボクは…
いや最初からボクのこと嫌いなんだ
ボクが受かれてるのを見て嘲笑って……
チガウ!うさみはそんな酷い人じゃない!
ボクの馬鹿、馬鹿、馬鹿!
結局は怖いだけなんだ…
この幸せな時間が壊れるのを
臆病者め
『ヒルビリー』
「うさみ!」
『今日は皆とビスケットを作ったんだよ
少し分けてもらったから一緒に食べよう』
「わー!ありがとー」
『ふふ、愛情をこめて作ったからきっと美味しいよ~』
「あいじょー…うん、きっと…おいしいね!」
『少し待ってて、お茶入れてくるから』
「うん」
一瞬でも疑ったボクは悪い子
本当はボクのこと好きじゃないんだって思ったボクはダメな子
こんなボクは早く死んでしまえばいいのに
『ヒル…ビリー…?何をやって…止めて!ダメ!』
え?
必死になってうさみがボクの腕を掴んでいる
意味がわからなくて…でも手が痛んだ
驚いて見たらボクの手は潰れていて、ハンマーから血が垂れていて…
「あ、あぁ、あぐっ」
頭がグチャクチャで、痛くて、怖くて…何よりうさみの顔を見るのが怖かった
うさみはシクシクと泣いていてギュッと抱き締めてきた
「ぐぅ…あぎぃ…」
なんで泣くの?
うさみが怪我をした訳じゃないのに
ボクまで泣けてきちゃったじゃないか
『…そうだ、治療…治療しなくちゃ…』
心地よかった温かさは離れていき、少し寂しく思った
棚から救急キットを取りだし治療を始めた
「ヴ…うさみ…」
彼女の涙は止むことがなかった