第9章 【番外編】マツノトクエスト 第八章
「聞きたい事って言ってもいくつかあるんだけど、まずは何で私達パーティがこの街にいる事を知ってたの? カラ松も最初から攻撃してきたから私達の事や居場所を知ってたって事だと思うんだけど……」
「あ~、それねぇ。ぼくら下僕の中の一人が凄い情報通らしいんだよね。勇者達一行を見張ってるって聞いてるし」
why!?
「えっ! 見張られてたの?! 全然気づかなかったんだけどっ、いつから?! 誰に……っ今は!?」
まさか誰かに常に監視されてたとは思わず驚きの声を出す。
矢継ぎ早に聞いてしまい、トド松も何から答えればいいやらうーんと唸る。
「いつから……? いつからだろうね? 実際見張ってたのはぼくじゃないし、でもカラ松が待ち伏せしてたなら旅立つ前からなんじゃないかなぁ……あと、ぼくもその見張ってる人は見た事ないんだよねぇ」
「え、見た事ないの?」
下僕仲間と言うのだからてっきり知り合い、若しくは六つ子の中の一人だと少し期待した私の心はすぐに意気消沈してしまう。
でも見た事がないのならばまだ可能性はあると自分の沈んだ気持ちを持ち上げた。
「ぼくやカラ松はトト子様から直々に命令されてここに来たから。他の下僕や幹部もいるのかもしれないけど、ぼく達二人はまだ初期敵? みたいなモンだし、そこまで詳しくはわかんないよ~っ」
普通自分から初期敵とか言うのだろうか。
しかしトド松の言う通り、初期敵にはかわりないしそこは納得せざるを得ない。
「そうだよね~。だって二人共あんなに弱かったし……まだ旅立って2つ目の街。そうやすやすとこのゲームを進めさせてくれるとは私も思ってないけどさぁ」
「弱いって言わないでくれる?! あれはナス子の召喚が強いだけだからねっ! えーっと、ゲームってなんの事かな?」
あ、そうだったそうだった。
いつもの口調で話してたけどトド松だってこのゲームの事忘れてるし今はこの中の登場人物で敵だったけど実は仲間でしたぁ!みたいな役付けになってる訳だし、こんな事を言われてもわからないよなぁ。