第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
「わーったよ、でも俺達は遊ぶからなぁ! 邪魔だけはすんなよ?!」
「はいはーい! わっかりましたぁ」
現実世界じゃ行けなくても、何故かこっちの世界だと色んな場所に行ってみたくなるのもゲームだからなんだろうなぁ。
お姉ちゃんの店は夜から開店するらしく、私達は暫く談笑して夜を待った。
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すっかり日も暮れて、酒屋や夜の店が開く頃。
路地裏にある一つの、ピンク色看板とピンク色に灯された店に案内される。
見た目や看板がいかにもな感じ、現実に考えればここはホステスみたいな所なのだろうか。
「あらぁ、勇者様! また遊びに来てくれたのぅ、嬉しい~!!」
扉を開けて中に入るや否や、一人のボンキュボンの女性がおそ松の腕に絡みつく。
勇者ってだけでモテるとは、これはおそ松はゲーム終わりたくないとか記憶戻ったら我儘言いそうだな。
あーあ、鼻の下伸び切ってるよ。
「待っていたかい、カラ松ガール達」
「きゃー! 勇者様御一行のカラ松様だわっ、お待ちしておりました~!!」
これまたいかにも大人の女性という感じの色香の漂う女性もカラ松の腕に絡みつく。
いやはやー、珍しいモンみた。
あまりに珍しすぎてなんか拝みたくなってくるわ。
この二人がモテてるなんて━━━━……。
「でもあんまり触ったら出禁にしますからね、勇者様ぁ~」
「へへへ、大丈夫大丈夫! そんな変な事しないってぇ」
「俺もその辺の節操は弁えているつもりだ、さぁ共に今日も飲み明かそうじゃないか」
「あ、ちょっとぉ!?」
おそ松とカラ松に巻き付く二人が私を邪魔者のように睨む。
まるで女がナニしに来たんだとでも言いた気だ。
接客業としてどうなのよこれは!!
それでも私の事なんかおかまいなしに、席に案内されるがまま、二人は女の子達と先に進んで行ってしまった。