第5章 【番外編】マツノトクエスト 第四章
ほんとコイツら現実もゲーム世界でもキャラ変わらないな。
レベル1の私がこんなんに適う訳ないのに!!
べたべたして気持ち悪いし早く抜け出したいが、パーティメンバーは真顔でコチラをただただ観察している。
「あ、アンタ達ちょっとは強いんでしょ?! 私よりレベルあるんだしカラ松は知らないけどなんとかしてよ! じゃないともう旅ついてかないからねっ」
大声を出して二人を睨み上げるとやっと重たい腰を上げて二人はウンと背伸びをして準備運動をし始めた。
おい、早くしろって。
マジこれ気持ち悪いんだけど……。
「仕方ねぇなー、カラ松。 お前レベルいくつ?」
「俺か? 俺はレベル6だが」
くっ……やっぱり私よかレベル高いじゃん!!
むっかつく、このモンスターよりもカラ松にハリセン打ち込みたい。
「ちょ、ちょっと!! なんか服溶けそうなんだけど……ヤバイヤバイ買ったばっかなのに」
「「………」」
「やっぱもう少し待つか」
「そうだな、あと少しだけ」
マジ伝説のパーティってこんななの?
下ネタだしエロイし、あ、エロイのは現実世界でも一緒だから変わらないか。
早く助けてくれないと私の装備がダメになるんだけど……。
「も、いいから!! 早く助け……」
━━━━━━━ヒュン!!!
「え? なんだぁ?!」
「ん~?!」
「うひゃぁっ!!」
急にどこからか矢が飛んできて、私は触手と切り離されて地面に倒れてしまう。
一体どこから矢が飛んできたのかはわからないが、自分を助けてくれたのはこの二人ではない事は確かだ。
━━━━━━ヒュン!! ヒュン!!!
プスプスと赤いモンスターに矢が何度も当たると、空気が抜けたようにプシュ―っと潰れて消えていく。
誰かが倒してくれたようだ。
「な、なに? ………ビックリしたぁ」
「誰かいるのか?! おい、隠れてないで出てこいよぉ」
「また俺のファンが一人出てきたという事か……ハッハッハ参ったぜ、全く……俺の魅力も困ったものだなぁ、ハハ~ン!! ア━━━ッ、矢が頭にぃぃぃい!!」
途端カラ松の頭部に矢が刺さり、頭頂部から血が噴き出す。
誰の仕業かわからないけどザマァ。