第31章 第三十話
「にゃ~」
「あ~……猫だぁ」
重い瞼半分でおそ松達の服の上にいる猫を見つけて、手を伸ばす。
口元に何かを咥えているみたいだけどなんだろう?
「………ん? 猫?!なにゆえ?!」
私が言ったのと同時の早さ、猫が凄い速さで逃げて行く。
もちろん口にくわえていた物はそのままに……何か盗まれてないよね?!
むしろ、盗まれて困るものあったっけっ?
錯乱状態だけど、これは緊急事態だと真っ裸の四人に声をかける私。
「おそまつ、カラ松、チョロ松、トド松!猫、猫!!」
「猫ぉ?あ、ほんとだ」
「ゲーム世界にも当たり前だがいるんだな」
「どうせなら猫耳の女の子とか出して欲しいよねぇ」
「あぁ、可愛い獣人ねー。わかるぅ」
「そうじゃなくって、猫がなんか持ってったのー!!」
「「「「何ぃーーーー?!」」」」
私も説明が悪かった。
あまりに俊敏すぎて言いたい事が適格に言えなかったし、皆が装備を整えるよりも早く私は先に猫が走って行った方へとおいかけて行ったけど、その後、その猫の姿は見つからなかった。
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