第3章 【番外編】マツノトクエスト 第二章
「いいじゃんそのままでぇ、似合うよそれぇ? 可愛い可愛い」
「さっきダサイ恰好って言ってたよね?」
「え? そ、そうだっけかなぁ? ぴゅ~♪」
コイツ、私にはビタ一文も出したくないような顔だ。
しかしパーティの財布は悔しい事にコイツが握ってる訳で頼むしか他ならない。
「ねぇ、安いのでいいから!! ちょっとだけでいいからお願いー! もうちょっとマシな装備買ってよー!!」
「はぁ? ヤだよ、何で俺がお前の為にそんな事」
うぐぐ、何だろうこの屈辱感。
現実と真逆の立場に悔しさが込みあげてくる。
「だって私達仲間になったんだよ?! 勇者おそ松が連れてる女がこんなダサイ恰好してるって世界中に知れたらこの世界の女の子達もガッカリするんじゃないかなぁ~ねぇ?」
「ぐ……っ」
ふふふ、どうだ。
おそ松の扱いなら長けたもの、こう言えばおそ松が出す行動など先に読めるわ!
「わーかったよ! けどこんな金じゃ大したモンはホント買えないからな! ここの村の装備だしっ」
「やった!! じゃあ防具屋行こう、連れてって」
やはりと目を光らせて、おそ松にキラキラと笑い返す。
いやぁ、いくら記憶なくってもおそ松はおそ松で良かった~。
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