第22章 【番外編】マツノトクエスト 第二十一章
「それにしてもまさかこのゲーム世界でウォータージャンピングストーンを覚える事になるとはねぇ」
トド松が何故か感慨深くテーブルに頬杖をつく。
あぁ、聞いた事ある名前だなとは思ったけどやっぱコイツらが過去にやってた変な正義の童貞ヒーローごっこのやつか。
家にも近所迷惑の如くわざわざそれ見せに来てたもんな。
逮捕されれば良かったのに。
「いやぁ~ここに来て童貞自警団、新品ブラザーズの技がスキルになって出てくるとは思わないよなぁ! またやる? 自撮りの背後に全裸で映り込むっ……! ってなぁ、だーっはっはっは」
「フッ、そうだな。なんせ俺達は暗黒大魔界クソ闇地獄カーストの位置にいる存在、小学生が女子と言うだけでも緊張するヒーローだ」
「……はぁ、思い出すな……僕が新品ブラザーズに入ったのは6年前、深夜ひとりでアレなDVDを借りようとしたとき」
「いや回想とかいいから!おまえらのバックボーン興味ねーよ!!」
何でいきなり説明しようとし始めた?!
あああああああツッコミって疲れるわぁぁぁぁ無駄に体力削られるわぁぁぁぁチョロ松早く帰ってきてよ!!
もう限界なんですけど?!
「ねぇ、ナス子姉のスキルってさぁ……これいつもやってくれるマッサージ」
「ああああぁ、言わないでぇぇ、現実世界の事を思い出させないでぇぇぇ、もうやだ! 行こう!! もうこれ以上話すとまた長くなりそうだしクエスト行こうっ」
突っ込みも本気で限界を感じて私はその席から立ち上がる。
変なスキルもあるけどないよりはマシと言うモノ。
4人で目的の盗賊クエストを受注し、地図をもらい、私達は推奨LV27のクエストに挑みに行くのであった。
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