第3章 【番外編】マツノトクエスト 第二章
あ、言ってなかったけど村長はツルっ禿で長い立派な髭をした老人だ。
そんなハg……村長が髭を撫でながら感動に打ち震えていた。
「え━━━━━━!! 嘘だろぉ? てっきりただの空からの落としモンかと思って拾ったのにぃ、コイツがあの伝説の仲間の一人ぃ?! って事はコイツ新品って事かよ、どう見ても俺より年上━━」
━━━━━━━━━━スパァアアアアアァアアアアアアン!!
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【 ナス子 の 会心の一撃 】
「ぐぇ~~~っ、だから痛いってぇの! 会心で15くらい食らったわ! ったく……噴水の水あって良かったぁ~」
そういうおそ松が噴水の水を汲んで飲むとHPはすぐ満タンになる。
水って回復場所になる事多いもんな、便利。
「いや、そうじゃない! 水に関心してる場合じゃないんだけど。何?! 新品とか、も、もしかしてアレの事言いたい訳?!」
「ふぉっふぉっふぉ、世界が滅びに導かれる時、一人の聖なる純潔の乙女と新品の6人が集まり、この世に蘇ってしまった封印されし魔王を倒す。そして再び平和な世界へと導いてくれるであろう━━━━。そういう村の言い伝えでな、この村は昔の時代、初代から受け継がれし童貞、65代目勇者が、65回目の封印をした者がコチラで生涯を終えた事から、昔から6と言う文字を大事にする……それはそれは古~く長い歴史のある村で……思い起こせば625年前の戦争から~」
あ、ラッキー。
なんか吹き出しらしき所にSKIPボタン出てるじゃん。
「ポチっとな」
「よし、今こそ旅立ちの時じゃ!!」
「お前……今面倒臭くなって会話飛ばさなかったぁ?」
他の皆にはバレていないのに、何故か自分が村長の会話をSKIPした事はおそ松にはバレてしまうようだ。
同じパーティだから? それとも二人とも違う世界から来てるから?
「だって、聞いてたら中々出発できなさそうだったんだもん! それにこれからどこに向かうかはアンタが知ってるでしょ?」
私が伝説の乙女だという事に心底ガッカリして肩を落としているおそ松は、話しかけると力のない顔で頭を掻いた。
「あ~、どこだっけなぁ?」