第24章 幸村の誕生日
「華月、もう大丈夫だぞ。怪我ないか?」
「幸っっ!大丈夫?怪我は?」
反対に心配されつつ、飛びつかれた。
「ココ、血が出てる」
「っっ…さわんなよ」
「むーっ」
「血が付いて汚れるからだよ」
刀を躱したときに掠っただろう傷だ。
頬に薄っすら血の筋。
拳は擦れて赤くなっているが、
何の事はない。
「幸村……ごめんなさい」
(普通にプレゼント渡して、祝ってあげたかっただけなのにっ…)
「…私のせいで怪我させちゃった…」
華月は申し訳なくて情けなくなった。
「そんな顔すんなよ。
お前がわざわざ連れて来た訳でもねーし。
気にすんなって」
幸村はニッカリと笑う。
(気にするよっ…)