第11章 悪夢再び
夢杏side
部屋に戻りすぐに布団に入った。
昔の話をするとやっぱり頭に浮かぶ…
嫌な記憶。
消したい過去。
消せない現実。
できるなら全部忘れたい。
無かったことにしたい。
そう思い目を閉じた。
目を閉じて数分経った頃だろうか、
携帯が鳴った。
貴『ん…誰だろ…』
私は寝ぼけながらも電話に出た。
誰からかかってきているかも確認せず…
貴『もしもし。』
電話に出るも、返事はない
貴『もしもし??だれですか??』
「クスッ誰だかわからないの?夢杏」
その瞬間
一気に目が覚め、血の気が無くなっていくのを感じた。
貴『え…な、なんで…涼介…』
涼「なんでって?俺から逃げられるとでも思ってた?ww」
衝撃のあまり言葉を失った。
涼「ねえ、夢杏。俺さ、ずっと探してたんだ。嬉しいよ。こうやってまた喋れて。夢杏も嬉しい?」
貴『…な…なに言ってんの…やめてよ…もう…』
涼「声が震えるくらい嬉しいんだ。よかった〜」
貴『……』
恐怖でなにも発せない私に涼介は言った。
涼「震えてる夢杏はやっぱりかわいいね。見に来て正解」
"ザー"っと砂嵐が耳元でなる感覚だった。
貴『…は……』
ゆっくり窓の方を見るとそこには
ニヤリと笑った涼介が立っていた…
ガクガクと震えだす体。足に力が入らない。
目の前で起こっている恐怖で声が出ない。
息も吸うのがやっとのくらい。
誰も助けを呼べない。
逃げられない。
絶望だった。
"ガラガラ〜"っと窓から涼介が部屋に入ってきた。
涼「びっくりした?サプライズだよ!」
貴『や…めて…こないで…』
後ずさりすらままならない
涼「捕まえた」
涼介の手は私の頬を触っていた。
私を見る目はあの時の目だった。
"バチン"思いっきり頬を叩かれる。
貴『やめて…ごめんなさい…ごめんなさい…』
涼「お仕置きが必要だ。オモチャは持ち主から離れられないんだよ。ちゃーんと教えてあげる」
"バチン"
泣かないと決めていたのに、恐怖で涙が溢れた。
それを見て涼介が言う。満面の笑みで。
涼「もっと泣きなよ。そっちの方がかわいい」
貴『ごめんなさい…やめて…』
何度言っても私を叩く手は止まらなかった。