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黒子のバスケ*Short Stories3

第33章 今日からまた始めよう*宮地*


気付かれた。

吹き飛んだ理性が一気に戻り、から体を離した。

とりあえずどう思われていようと、今の行動は間違っていた。

彼女でもない「幼なじみ」にキスをしようとしたのだから。

「…悪い。」

恥ずかしさと申し訳なさでの方を見ることが出来なかった。

「…キスした?」

「してねぇよ。…未遂。」

その会話からしばらく音が途切れて、ただただ沈黙が流れる。

いつも居心地が良い空気が、重く苦しい物に変わっていた。

…あんなことしなければよかった。

黙って「幼なじみ」でいればよかった。

「忘れてくれ」と言おうと意を決した時。

「…してくれてよかったのに。」

思いもしなかった言葉に驚き、さっきまで見られなかったの方に顔を向けた。

「…何でだよ。」

「じゃあ逆に聞くけど…どうしてキスしようとしたの?」

もう隠し切れない。

想いが伝わる確率がさっきのの言葉で急激に高くなった。

今しかない。

「…ずっとお前が好きだったからだ。」
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