第9章 た、逞しい腕ですね
「時間が経てば治るはずだが」
『何時まで!?』
「さぁな」
こ、このヤブ医者!
どうせ他の皆にこの姿を見て笑われるんだ!
一生の恥、生きていけない…
「少し触ってみても?」
『もう、もう!どうにでもしやがれ!』
半泣きにしゃがんで顔を自分の膝に埋める
恥ずかしすぎるのと油断しすぎる自分が馬鹿すぎてもう泣く、泣くしかない
「ふむ…ちゃんとした耳…毛も生えている」
耳の裏をカリカリとかくように撫でられピクッと反応してしまう
「ちゃんと感覚があるというのか…」
『うっ…尻尾は絶対触んないで』
なんか小説とか漫画で尻尾触られるとイヤァ~ンとか力が抜ける~とか見てきたけど流石にアレは無いわ
ってかそんな声出したくないわボケ(過激)
これ以上私は恥を去らしたくないんだからね!
「ふむ、分かった…
感覚があるってことは本物の耳といった所か…成る程な…
さて、耳を触られるのはどんな感じだった?」
なんか質問タイム来たああああ
『なんか…変な感じ
あと耳の裏を触られると気持ち良い』
「ほう…」
と、答えた途端耳を執拗以上に攻められるし…
まぁマッサージしてもらってる時みたいに気持ち良いしいっか
『ん~…』
「フフ、幸せそうな顔をしてるな」
『うっさい…』
気が狂う…!
『ドクタ~耳と尻尾が消えるまで此処に居たい』
「何故?」
『こんな格好で皆に見られたら笑われるし、何より恥ずかしい』
「なら泊まっていくか?私は大歓迎だぞ」
大きく腕を広げ笑顔を向けるドクター
(正直笑顔が怖いから自分の顔が引きつってる)
『何もしない?』
「耳とか尻尾を確認させてもらえれば酷いことはしないさ」
『じゃあ泊まる』
「お前の泊まると母親には伝えておく」
『んあーい』
「それにお前の首のアザ、ついでに治してやるからな」
あっ、隠すの忘れてたや…って
『治せるの!?』
「荒治療だが治せるが少々痛むぞ」
『それ安全?』
「自分で試したから安全だ」
『う、うーん?まぁお願いします』
こうしてアザを治して貰ったうえに泊まらせてくれた
実験に付き合わされなければ普通に好きになれそう
…多分ね
ちなみにドクターと呼ばれているが医者では無いそうだ
じゃあ何者なんだよ…
※ちなみに耳と尻尾が消えるのに3日掛かった