第6章 不器用な酔ったフリ/twc
t「、帰るよ」
「えー、もうですかー?」
t「いいから、早く準備して」
半ば強引に飲み会を抜け、その場から近かったとわこの家へと向かう。
t「ほら、着いたで。今水持ってく…」
「やぁ…」
水を取りに向かおうとするとわこの服の裾を掴む。
t「っ…何してんの?掴まれたら水持ってこれへんで」
「…水よりも…キスを…下さいっ…!」
t「あーはいはい、酔っ払いはおとなしく…」
「酔ってないです……」
t「はあ?」
「ずっと…酔ってるフリをしていただけです…」
t「本当かあ?」
「本当です」
視線を合わせる為に玄関でへたりこんでいるの前にしゃがんだとわこ。
t「なんでフリなんかする必要あるん?」
「……から…」
t「なんて?」
どんどん小声になっていくにとわこはすかさず聞き返す。
するとは、真っ赤にした顔をバッと勢いよく上げると
「…フリしなきゃ…私から…キス……してなんて言えない…から…!」
t「なっ…くっ……」
突然何を言い出すのかと驚いたものの、この不器用で可愛過ぎる年上の彼女が愛おしくて、緩む口元を覆いながら
t「……可愛過ぎか?」
「っっ!…もう…いいです!忘れて下さい…!」
t「なんで?」
「え…」
t「忘れるわけないやろ。…………?」
「…はい?………ぁ……んっっ」