第10章 *Cultivate love (2)*
それからの1週間はあっという間だった。
一日目は2人でショッピングモールに行って焦凍が私に洋服を買ってくれた。私もメニーさんとスウさんに日頃の感謝を込めてプレゼントを買った。
「焦凍は本当に何も要らないの?私だけ買ってもらっちゃってなんか悪い気がする」
「お前の服は俺が買いたかったから買っただけだ。それに男はそんなに欲しいもの無いしな」
「そうなんだ……」
「あ。なら今日からは夜に俺が何を言っても言うことを聞け。それが欲しいもんだ」
「物じゃないけど……焦凍がそれで良いなら」
そんな会話があって、私は物ではなくて1つの約束事をした。
二日目は遊園地に行って絶叫系を制覇した
三日目は焦凍のお母さんのお見舞い
四日目は映画を見に行った。恋愛系じゃなくてホラー系。
五日目はクラスの皆と体力づくりの名目で学校のプールに。
六日目はこれまでの疲れもあって家で1日をのんびり過ごした。
そして七日目の今日。
今日の夕方にはもう家に帰らなければならない。
この1週間は私にとって凄く貴重なものになった。
例えば、この1週間は私が焦凍の髪を乾かした。
こんな事になったのは2日目の夜の事…………。
「えっ、焦凍ドライヤーしないの……?」
「別にやんなくても変わんねぇしな」
「ドライヤー無しでどうやったらこんな綺麗な髪になるのか分からない……とにかくドライヤーはして」
「めんどくせぇ」
「……せっかく綺麗なのに勿体無い。はい、そこ座って、焦凍」
と言うことがあって、私が焦凍の髪をドライヤーする事になった。
「別に良い」と言っていた焦凍だったけれど、やり始めたら「お前にドライヤーされるの良いな」とか言ってきて、私がドライヤー係になってしまった。
まぁ、私も焦凍の髪をドライヤーするの好きだから良いんだけど。