Dr.Heart Stealear [ONE PIECE]
第9章 ユメユメ
「っ!!!‼」
違和感で目が覚めた。
いや、目が覚めたなら、どうして前が見えない?
寝る前にはあった肩の重みは無く、座ってもいなかった。
寝てる…転がされている?
「クスクス…起きた?」
小さな笑い声の後に中性的で高くも無く低くもないとても心地の良い声。
返事をしようにも口も何かで塞がれている。
さっきまで見ていた夢のように。
「あぁ…喋れないよね?これはとってあげる。」
足音が近づき、口元の布をはずされる。それに続いて目も明かりをとらえた。
「…誰?」
私の目には肩まである茶色の髪をした少年。目は深みのある紅。
「僕のことはルイって呼んでね。なまえちゃん。」
ニッコリと笑う少年は可愛らしかったが、腕には刺青があった。
ドンキホーテファミリーの象徴のようなスマイルマーク。
「…ドフラミンゴ…?」
「あぁコレ?そうだよ。ヴェルゴさんから聞かなかったかな?ジョーカーが君を気に入ったんだ。」
僕は君を捕まえてジョーカーに献上する。
そう言って少年はまた可愛らしく微笑む。
「ローやルフィさん達は…?他の仲間は?」
「さっきの夢の事かな?皆無事だよ。ローには少し細工をね。体に害はないよ。安心して?」
夢の事を知ってる?
でも、皆無事で良かった。
「夢…どうだった?」
「……最悪の気分。何か知ってるの?」
「知ってるよ。僕が見せたんだもん。」