第10章 家族旅行
祈織「何処にも…いかないで」
『……ねぇ…祈織さん…。私達は似てますね』
スルリと僕から離れるちゃんは見た事ない顔をしていて
祈織「え…?」
『“それ”は自分自身で乗り越えないといけないんですよ』
まるで全てを見透かされているかのようで
祈織「もしかして何か知って…?」
『私は何も…。ほらそろそろ戻った方がいいですよ。受験生が風邪引いちゃいますよ』
そう言ってコテージを指指すちゃん
祈織「待ってまだ…っ!」
僕が言いかけた瞬間、有無も言わさぬ無表情のちゃんがいた
祈織 side終