第2章 キスだけじゃ、止められない
ま、ま、ま、
まさかっ!!!
キースさんが僕の手をギュッと握って、また、下を向いてしまった!
こ、今度は耳まで赤い!?
ウソだ……
こんなの……
でも……
「あの……本当に……?」
僕は信じられなくて……これは、何かの冗談なんじゃないか……って……
するとキースさんは、僕の手をパッと離して
「す、すまなかったね!忘れてくれ!そう、忘れてくれないか!」
そして、素早い動きで僕から離れようとした。
でも……僕だって、伊達に身体を鍛えているわけじゃない。
素早い動きなら、僕だって彼に負けていない!
「待って」
そう僕が言った時には、
もう一度キースさんは、僕の腕の中にいたんだ……
「待って下さい……」
いやでも今度は僕が、僕よりも背の高い彼の胸元に顔を当てている……
そうか……自分の気持ちを相手に伝えるって、
こんなにも勇気のいることだったんだな……
何度も頭の中でシミュレートしたけど、こんなの実際にならないとわからない……
「僕の気持ちも、聞いて貰えませんか……?」
「君の……気持ち……?」
「はい……」
ここはキチンと言わねば、男が廃るってヤツだ!!!