第15章 How to A B C & ...!? 前編 A&B
そして今度はその舌の動きに合わせて、僕の舌も
ゆっくりと動かす。
すると、
ピチャ、ピチャ……クチュ……クチュ……
と……さっきまでとは違う水音が、この広い個室に響く。
そのイヤらしく甘い音に、もう僕はたまらなくなって……
少し虎徹さんよりも舌を早くうごかしてしまった。
すると
「バニー……ゆっくり……旨くて、甘いモン食ってるみたいにさ…………」
虎徹さんが少し唇を離すと、優しく甘い声で囁いてくれた。
僕は照れ臭い気持ちと、
あぁ!こんな素敵な人が僕の恋人なんだ!!!
と、嬉しい気持ちがごちゃ混ぜになって……
虎徹さんにきつく抱きついた。
きつく抱きついた僕を虎徹さんは、もっときつく抱き締めてくれる。
きつく抱き締められた腕の中で、より一層僕達の激しい水音が響く、その時
カタン…………
と小さな音がした。
それは、僕のポケットからレストランの入っているホテルの、カードキーが落ちた音だった。
僕はスィートルームをリザベーションしていたんだ。
それに気づいたのか虎徹さんが、カードキーを拾い上げると
「なんだ……用意イイじゃねーか。バニーちゃん……」
そう言ってまたキスをしてくれる。
だって初めての夜は
特別なモノにしたかったから……