第11章 真夏の夜の訪問者 後編
俺は《バニー》を抱き締めたまま、迷わずロイズさんのオフィスへ向かった。
そして大きな音で2度ノックすると、ロイズさんの返事も待たずにドアを開けた!
「ロイズさんっ!!!バニーのヤツが人形になっちまった!!!」
『え……?』
ドアを開けて、すぐに俺とロイズさん
そして
バニーの声が重なった。
「えっ!?あ、あれ?バニー!?」
びっくりして、その場に立っているバニーを見ると……
何故かメチャクチャ泣いている!?
「えっ!?えっ!?どーしたの!?バニー!?え?いや、それより……」
俺は驚き過ぎて言葉が続かなかった。
「こ、虎徹さんこそっ!!!何なんですか!貴方っ!!!」
「え、えっ……!?」
何、なんでバニーちゃんキレちゃってんの!?と、一歩後ろに下がって、バニーをよく見ると
人形を抱いている。
ま、まさか……
「突然夜中に僕の家に来たと思ったら、朝にはいなくなって!こんな、虎徹さんそっくりの人形なんてあるから、僕は……僕は、てっきり……うっ、う……う……」
そう一気に捲し立てると、また泣き出すバニー。
え、え、え……!?俺は混乱した頭のまま……
「いや、待てバニー……これ……見てくれ……」
手に持っていた《バニー》人形を見せた。