第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
ライアンは手際よくパスタ料理を作ってくれていた。
「どう?」
「美味しい……」
「よかった、いっぱい食えよ。後でまた一汗かくんだからよ」
「えっ……」
ダメだ……このままじゃ、ライアンのペースに巻き込まれて大事な事が言えなくなるっ!
「あ、あのっ!ライアンっ!!!」
「………………ん?」
少しの沈黙の後、ライアンが返事をした。その時
ピンポーーーーン
なんだか間の抜けた……来客を報せるインターホンが鳴った。
モニターに目をやると、虎徹さんが映っている。
「虎徹さん…………?」
「………………」
「あの……僕、呼んだわけじゃ……」
「わかってるよ。出てやれよ」
「でも……」
「いいからっ」
少し声を荒らげるライアンに、ビクッとしたけど
「ほら、早く開けてやれば?」
「…………わかった」
次にはまた、いつものおどけた優しいライアンに戻っていて、僕は言われるがままインターホンに出た。
「虎徹さん。どうぞ……上がってきて下さい」
そして僕はエントランスのキーを開けた。
虎徹さんはきっと今、エレベーターに乗っているだろう……
そして僕の部屋の前にやって来る。
この色々な思いが混じりあった部屋に
本当に、彼を招き入れてもいいのだろうか……
「ライアン……やっぱり今日は虎徹さんには、帰って……」
「いや、ダメだ」
ライアンが席を立って僕を止める。
その時、部屋のインターホンが鳴ったんだ…………
to be continued……
この続きは、久遠さまの
『君とならキスだけで【TIGER&BUNNY】』
第6章「Loving you is Killing me.Ⅲ 後編」で、蕩けるバニーちゃん(えっ!?)を御堪能下さい。
おまけのページがあります。ほのぼの話です。お時間のある方、読んで頂けると嬉しいです→