第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「で、何なのそれ?また折り紙?」
「はい……」
ライアンも一緒に剥がしてくれてグチャっと握り潰すと、そのままダストボックスに放り込む。
僕も数枚を剥がし、その千代紙を見るとウサギの形に折ってあり、そのウサギの顔は
泣いていたんだ……
僕の手の中にあるウサギ全部が泣いている。
きっとダストボックスに直行したウサギも泣いているんだろう……
僕は手の中の千代紙を、やはりグチャっと握り潰すとそのままダストボックスに放り込んだ。
何も見たくないし、何も考えたくない。
ボーッと立ち尽くし、動きの止まってしまった僕にライアンが
「ほら、これ今度の仕事だって」
最終案の企画書がデスクに置いてあった。
『グラビア特集 新コンビ ライアン&バーナビー 』
「いいねぇグラビア!ベッドとかも用意してもらう?」
「バカなことを……貴方は怒らないんですね。こんな仕事でも……」
ライアンがジッとこちらを見ている。
“貴方”は……
しまった。言ってから気づいた。
僕が少し困った顔をしていたら
「俺達の仲、思いっきりアピールしようぜ?なぁ?」
ニカッと親指を立てて笑ってきた。