第1章 【番外編】チョコと経験値
結局、姉さんは皆の質問には大して答えず、今日は解散になった。
風利
「姉さん、」
姉さんとの帰り道、やっぱり気になるから聞いてみる。
風利
「本当に、好きな人が居るの?」
轟君かもって思ったけど…もしかしたら、私が沈めちゃった空気(不可抗力)を変える為に言った、架空の話だったんじゃ…
薙景
「本命チョコは家で作る」
風利
「え…じゃあ」
薙景
「こればっかりは風利にも秘密」
そう言って、姉さんはニッと笑う。
その顔は揶揄ってる様にも、照れてる様にも見えた。
風利
「そっか…」
秘密って言うなら、聞いてももう答えては貰えない…
風利
「その人、喜んでくれると良いね」
薙景
「そりゃ贈るんなら喜んで貰いたいね〜」
心の中で…姉さんにエールを送った。