第29章 カルマオチ②
『学秀…理事長先生、お父さんに振り向いてほしいの?』
学秀『まぁ、勘違いするな。父親だろうが蹴落とせる強者であれ。そう教わってきたし、そうなるよう実践してきた。
人はどうあれそれが僕ら親子の形だ。
だが…僕以外の凡人はそうじゃない。
今のA組は地獄だ…。
敵を憎み、蔑み、陥れる事で手にする強さには限界がある…。
時として敗北は、人の目を覚まさせる。
正しい敗北を、僕の仲間と父親に……。』
あえて傲慢な本心を隠さないのは、本心で話をしている事を示してるからだ。
プライドの塊の学秀が、私たちに、今、本気で、他人の事を気遣っている。
カルマ『え?他人の心配してる場合?1位とるの君じゃなくて俺なんだけど?
しかも何勝手にまぁを巻き込んでくれちゃってるわけ?』
学秀『あれは僕には関係ない!
正々堂々、僕は自分でまぁを振り向かせる!』
カルマ『あっそ。ま、次はE組全員容赦しない。
1位は俺で、その下もE組。
浅野君は10位あたりがいいとこだね。』
村松『おぉ〜!ついにカルマが1位宣言!』
カルマ『余計な事考えないでさぁ〜、殺す気できなよ!』
学秀『面白い。ならば僕も本気でやらせてもらう!』
学秀はどこか楽しそうに教室を出て行った。